2007年06月09日

穏やかなアンボン

今週は、6月3〜5日にアンボン、7〜8日にジャヤプラへ出張した。仕事上の打ち合わせで、それぞれの大学の先生に会ってきた。その合間に、アンボンでは町の様子を見てきた。

アンボンへ来るのは1998年以来9年ぶりである。そのあと、1999年1月から数年にわたって住民間の抗争が続いた。日本を含め、多くの国ではまだ正式には渡航を奨励していない場所である。9年前とどんなふうに様子が変わっているのか、興味と不安が入り混じりながら、アンボンをベチャに乗って歩いてみた。そして、9年前に感じたような穏やかなアンボンが確実に復活してきている様子を確認することができた。もちろん、身に危険を感じるようなことは全くなかったことを付け加える。

その様子を、何枚かの写真で紹介する。

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バトゥメラ市場で愛嬌を振りまく女性商人たち


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2007年06月01日

ライオン・エアの最新機に乗った

5月31日、急遽ジャカルタへ日帰り出張した。前日にGarudaの予約を取ろうとしたらシステムがダウン、しかたなくLion Airで行くことにした。

午前8時のジャカルタ行きに乗るべく、ハサヌディン空港へ。しかし、その便はクンダリから来る飛行機で、クンダリの天候が悪いため、出発時間が午後1時に変更されていた。ジャカルタでのアポの予定は午前11時。まいった。そこで、Lion Airの係員に食いつき、午前9時の便へ変更してもらった。

この午前9時のジャカルタ行き、Lion Airが世界で最初に導入したボーイング737-900ERだった。前向きに考えれば、最新機に乗れてラッキー。エンジン音が他の飛行機と違う。ということは、今まで乗っていたインドネシアの国内線はみんな中古だったということを改めて確認できたわけだ。飛行状態は極めて安定。乗り心地はとてもよい。

しかし、シートは幅が狭く、つくりも簡易だった。Lion Airの仕様で設置されたのだろう、シートはできるだけ簡素に、たくさんの乗客を運べるように、ということだった。シートだけだったら、帰りのLion Airの中古737-400のほうが良かった。もっとも、最新機でも、機内で提供されるのはいつものカップ入りミネラルウォーターだけで、食事は出ない。

そういえば、数日前に、羽田空港の航空券発券システムがダウンして、午後便がすべて欠航になったというニュースをみた。そう、我々がいかに危ういシステムに依存して便利な生活を享受しているか、を思い知らされる出来事だ。インドネシアでは、発券システムがダウンすれば、従業員が汗だくになりながら手書きで搭乗券を発券させ、飛行機を飛ばす。

コンピューターがダウンすると飛行機が飛ばない日本と、ダウンしても何とか飛行機が飛ぶインドネシア。処理する便数の数が日本とインドネシアで大きく異なるのはさておいても、飛行機を利用する側からすれば、手段は何であれ、飛んでくれたほうがいいはずだ。もっとも、運航の安全性はまた違う話になるのだが。
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2007年05月29日

州知事夫人が高校で選挙活動

インドネシアの選挙権は18歳以上。ほとんどの高校3年生は選挙権を持つ。今年11月に州知事選挙を控えた南スラウェシ州では、まだ選挙運動期間に程遠いにもかかわらず、選挙活動がたけなわである。日本だったら、すべて公職選挙法違反のはず。

私のお気に入りのインドネシア語投稿サイト「パニンクル」に高校生からの投稿があった。その高校に現職の州知事夫人が現れ、出席を義務づけられた生徒たちを前に、再選を目指して州知事選挙に立候補する夫を称えたというのだ。

それだけではない。現職州知事と彼と組む副知事候補のペアの名前が入ったステッカー、現金5000ルピアの入った爪切り、ジルバップ、彼女と夫が表紙を飾る日記帳(下写真)を全員に配ったそうだ。とくに準備に協力してくれた生徒にはさらに2〜5万ルピアの現金が配られたのだ。最後に、州知事夫人の歌が披露されたという。

なんだこりゃ、である。こんな候補者が当選してしまったら(実際、当選しそうなのだが)、悲しいではないか。でも、対抗馬も似たようなものなのだ。民主化したといいながら、ものすごくタイムスリップしたかのような地方政治の日々である。

こんなことを書いたら、「インドネシアを侮辱した」「内政干渉するな」などと言われるのだろうか。でも、書かずにはいられないのだ。

パニンクルの該当記事(インドネシア語)

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2007年05月27日

ロザリ海岸でインターネット

新聞報道によると、本日5月26日から、マカッサル市ロザリ海岸のホテル・マカッサル・ゴールデン(MGH)からマカッサル市長公邸(タンジュン・ブンガへ向かう取り付け道路付近)の間で、Hot Spotが設置され、無線LANでインターネットができるようになったとのこと。5月26日から一ヵ月間は、しかも無料で利用できる。1ヵ月経った後は、Voucherを買わなければならない。

ノートブック・パソコンを海岸に持ち込み、名物の夕日を観ながらインターネットが楽しめる、ということになる。マカッサルは「サイバー・シティ」を目指すとのことだが、果たしてどうなるか。

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サンデッ・レース2007、8月に開催

スラウェシの誇る世界最速の木造帆船サンデッ(Sandeq)。今年も、西スラウェシ州の州都マムジュから南スラウェシ州の州とマカッサルまでの区間で、8月12〜26日にサンデッ・レースが開催される。

今回で11回目となるサンデッ・レース。実は、マムジュからマカッサルまでこのサンデッに乗船し、実際にレースの様子を海上から経験できるそうだ。レース開始の最低1ヵ月前までにこちらに来れば、今回用に新たに造船しているサンデッの製造の様子をみることができる。もちろん、レース運営に関わるボランティアやサンデッの調査研究を行う方の来訪も大歓迎。資金提供してサンデッのスポンサーになれば、その広告ロゴがサンデッの帆に描かれる。

日程は以下の通り。

8月12日(日)マンダール湾にてレース参加サンデッの選考
8月17日(祝)マムジュ−マルンダ
8月18日(土)マルンダ−マジェネ
8月19日(日)マジェネで三角レース
8月20日(月)マジェネ−ポレワリ
8月21日(火)ポレワリで三角レース
8月22日(水)ポレワリ−ウジュンレロ
8月23日(木)パレパレ湾で三角レース
8月24日(金)パレパレ−ウジュンバトゥ(バルー県)
8月25日(土)ウジュンバトゥ−マカッサル
8月26日(日)マカッサルで親善レース

サンデッ・レース2007の詳細・連絡先はRidwanさんへメールにて(英語またはインドネシア語で)。

関連情報はこちら

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サンデッについての若干補足しておく。
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2007年05月22日

漁民がシーラカンスを捕獲

北スラウェシ州マナド沖で19日、地元の漁民父子がシーラカンスを捕獲した。このシーラカンス、捕獲されて隔離プールに入れてから17時間後に死んでしまった。

この海域にはシーラカンスの存在が確認されており、日本でも、アクアマリンふくしまなどが調査を継続中である。

折りしも、マナドでは2009年に世界海洋サミットを開催すると宣言したばかり。北スラウェシ州知事は、シーラカンスはそのまま冷凍保存し、世界中の科学者の調査対象として役立てる、としている。ただし、シーラカンスはマナドから外へ持ち出さず、世界中の科学者にマナドへ来ることを奨励している。

再びシーラカンスの話題で盛り上がる北スラウェシ。シーラカンスやスラウェシの海の解明はまだまだ緒についたばかり。世界的にユニークなスラウェシの魅力がまた一つ加わった。いやー、これだから、スラウェシは面白い。

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(Komentar紙、2007年5月22日より)


関連記事:
ロイター(日本語)
Komentar(インドネシア語)

マッチがない

我が家の裏側はタロ川に近く、湿地帯だったところらしい。加えて、東隣には20年以上も放置された広大な空き地があり、以前ここから出火して、消防車がなかなか来ずに大騒ぎになった(以前のブログ記事を参照)。何を言いたいかといえば、我が家には蚊取り線香が必須なのである、ということだ。

と、ずーっと引っ張っておいて、話は、蚊取り線香に火をつけるときに使うマッチである。前に買いためておいたマッチがそろそろ残り少なくなったので、街中へマッチを買いに行ったのだが、これが売っていないのだ。大きなスーパーには置いていない。昔ながらのスーパーBaji Pamaiにはレジのところにちょっと置いてある。少し前までは、大きな箱に入ったものから小さいものまで、様々なマッチが売られていたのに、今は店内で売られていないのだ。

道端にはタバコ売りがいるから、そこに行けばマッチがあるのは分かる。しかし、一般家庭ではもうマッチなど使わないのだろうか。日本だって、まだまだマッチは使われているし、お店や旅館の宣伝に使っているはずだ。マカッサルの状況を一般化はできないかもしれないが、ちょっとなくなるのが早くないのか。

しかたなく、普通の安いライターを購入した。そして家に帰って、蚊取り線香にライターで火をつけてみた。すぐついた。マッチのときは、マッチ棒がしっかりできてないので、何本も折れてしまう。しかも、火力が弱いのか、つけても途中で消えてしまうこともたびたびだ。ところがこのライター、ちょっと火をつけただけでも火が消えない。マッチよりずっと楽だし便利。そうか、こうやって、マッチは店頭から消えていったのだな、と納得してしまった。

火打石が消え、マッチがなくなり、ライターや着火マンで火をつける時代がやってきた。火は人間にとって恐れるものではなくなり、制御できるものになってしまった歴史。ちょうど1年前に、日本の山村で火入れや焼畑の話を聞いたとき、火には不思議な力があると悟った。ライターで蚊取り線香に火をつけるようになると、その厳かな火の世界から一歩遠ざかっていく自分を感じてしまった。

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2007年05月20日

マカッサルに戻って

10日間以上のジャカルタ・ジョグジャカルタ出張から18日深夜に戻った。やはり、マカッサルの自宅に入ると、なぜか心が和む。ここが自分の居場所だ、という実感が沸いてくる。

私がいない間、例の朝顔はどんどん育っていた。いつまでも咲き続けていって欲しいものだ。お手伝いたちが毎日丁寧に水をあげていた。

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マカッサルでの「リハビリ」の2日間の出来事を以下に書き留めてみる。

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2007年05月17日

ジャカルタ出張

5月8〜18日の予定で、ジャカルタに出張で来ている。ジャカルタで日本から来た勤務先のチームと合流して動いているのだ。久々のジャカルタ長期滞在だが、連日、何本ものアポイントメントが入って、マカッサルでの生活の何倍もの慌しさで毎日が過ぎていく。

立ち並ぶ高層ビル、寒すぎる屋内冷房、あちこちでの渋滞などなど、ジャカルタなら当たり前のことだと分かっていても、「ここはインドネシアではない」と感じてしまう光景にぶつかる。そして、日が経つにつれて、それが日常の現実として認識されていってしまうような感じを抱く。現場感覚が鈍っていくような・・・。

今回の出張で、日頃なかなか会えない方々とお会いすることができた。22年間インドネシアと付き合ってきて、初めて大統領府の敷地内に入るなど、面白い経験をすることもできた。ジャカルタで食べたいと思っていた美味しい食べ物も若干は味わえた。それでも、連日のアポや会議は少々閉口気味だ。マカッサルの我が家のお手伝いが作る料理が恋しい(もういわゆる「お袋の味」になっているのかもしれない)。

ジャカルタ滞在も残りあと2日。アポと会議はまだある。そして、これだけ長く滞在しているのに、また今回も会えない友人・知人が多数いる。ジャカルタに来るたびに、それがいつも心残りになるのだ。

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2007年05月08日

ジョグジャ手工芸品展示会(マカッサル)

震災復興とも結びついたジョグジャカルタの工芸品の展示会が、下記の通り、マカッサルで開催される。これはインドネシア技術交流プロジェクト「てこらぼ」の一環でもある。

「てこらぼ」は、単にインドネシアの工芸品を紹介するのではなく、インドネシアの職人と日本の職人との共同作業を通じて、新しい価値を生み出していくことを重視している。有名なのは、ジョグジャカルタの黄金の繭(クリキュラという野蚕から出る糸)を使ったゴールド・シルクがある。

私自身は用事で10日間ジャカルタに出ているので行けないが、どのような工芸品が展示されるのか、マカッサル在住の方は是非見に行って欲しい。

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ジョグジャカルタ手工芸品マカッサル展示会のご案内

日時 5月9日〜13日
場所 MALL PANAKUKANG

「RUMAH KAPAS」の製品等が展示される。「RUMAH KAPAS」は被災綿織物産業復興支援の一貫として始められたとのこと。

RUMAH KAPASのページ

てこらぼのページ

posted by daeng at 08:21| Comment(0) | TrackBack(0) | マカッサル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする