2007年12月23日

南スラウェシ州知事選挙後の混乱

南スラウェシ州知事選挙で、シャフルル候補(現州副知事)が当選と決まってからはや1ヵ月。しかし、負けたアミン候補(現州知事)の不服申し立てを受けた12月19日の最高裁判所決定で、なんと、4県で選挙のやり直しが命じられた。これが実施されると、新知事就任は来年の3〜6月頃へ延期されることになる。

南スラウェシ州知事選挙をめぐる混乱は今後も尾を引くだろう。当地の治安状況に懸念が生じている。警察はマカッサルに「第1級警戒態勢」(Siaga 1)を発令した。

今後、マカッサル市内ではペッテラニ通りの州選挙委員会前、大学の周辺などで、様々なデモが行われる可能性がある。また、各県・市でも同様のデモが起こりえる。

現実問題として、デモや抗議集会だけでなく、支持者間の対立・衝突が起こる可能性も決して皆無ではない。十分な注意が必要である。

平穏無事に選挙を終えたかに見えたのに、なぜこのような事態になってしまったのか。

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2007年12月19日

今年の雨季は本物・・・

昨日(12/17)から、マカッサルらしい激しい雨が何時間も降る状態になった。今日(12/18)も午後から夜まで断続的に降り続いた。11月に入ってからけっこう雨が降っていたのだが、私がなじんできた、あのマカッサルの雨季が戻ってきた感じだ。

去年はおかしかった。12月に入っても雨が少なく、12時間の断水を強いられた。今年は水が出にくくなることもないまま、雨季に突入した。

日本も今年は冬らしい冬になったと聞く。それでも地球温暖化のなかでのちょっとした揺り戻しに過ぎないのか。やっぱり、今回のような激しい雨でないとマカッサルと言う気分がしない。

雨で水が溜まっても、庭に植えたマツバボタンが朝になれば健気に咲いている。水が多いと根が腐るという話だが・・・。ニチニチソウは何本かが枯れてしまったけれど。そんなマツバボタンに勇気づけられている今日この頃である。

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2007年12月12日

パペダとクラディ

ジャヤプラへ出張して、またおいしいものに出会った。チェンデラワシ大学社会政治学部長のナフィ先生のお宅に招待され、パプアの人々にはおなじみの食べ物でもてなされた。

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左手前がサゴ椰子澱粉で作ったパペダ。水飴のように2つのスプーンでクルクルッとまわしながらちぎって皿に移し、右手前のスープをかけ、パパイヤの葉の炒め物などを乗せていただく。先生のお宅のパペダはあっさりとしてヘルシーな美味しさだった。

パペダにも増して、今回、感動したのが、上の写真の真ん中の団子のような形のクラディである。クラディはサトイモの意味で、言ってみればサトイモ団子。先生のお宅のクラディには、隠し味でハチミツが入っていて、ほんのり甘みが口の中に広がる。これを野菜や魚と一緒にいただく(下写真)。このクラディ、本当に美味しい。

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脂っこいインドネシア料理のなかにあって、パペダもクラディも素材を生かした実にヘルシーな料理である。パプアの食文化は、健康志向の観点から、もっともっと注目されてよい。

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2007年12月09日

ジャヤプラから国境を見てきた

ここ数週間、ブログの更新を怠ってしまった。体調を崩してそれが長引いてしまったこと、パプア州ジャヤプラへ出かけていたこと、インターネットがなかなかつながらないこと、など諸々の要因があった。

12月4〜7日にジャヤプラへ行ってきた。そこの大学で特別講義をするためだった。「分離独立という言葉を安易に放つことによって、自分の足元を見なくなり、地道な地域開発努力を怠ってしまっている」などと辛口の意見も授業で披露してしまった。自分たちの歴史はヨソ者によって蹂躙され、何も残っていない、という彼ら。「ならば、今日の今この時から1日ずつ記録を残し、10年、20年と積み重ねて、自分たち自身の歴史を作っていこうではないか」とも呼びかけてしまった。

パプアの人々の根っ子を生やし、それを育てていくことが、次の、そしてそのさらに次の世代の将来のために必要だということを強調したが、被害者意識に彩られ、手っ取り早く、ヨソ者から獲れるものを獲る、という姿勢を地道な活動へ変化させていくのは、容易ではないと痛感した。

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ジャヤプラ中心街をテレビ塔のある丘から眺める

そんな講義の合間に、パプア・ニューギニアとの国境を見に行ってきた。ジャヤプラの手前のアベプラから車で約1時間半。想像以上に舗装がよく、快適なドライブだった。

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posted by daeng at 12:23| Comment(1) | TrackBack(0) | その他インドネシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月22日

ようやく電話は復旧

11月20日、ようやく電話が復旧した。これにより、インターネットADSL常時接続のTelkom Speedyも使えるようになった。復旧まで10日かかった。ふーっ。電話局の管轄支局へ2回、本局へ1回出向いて、ようやく解決した。

原因については当初、電話の地下ケーブルが道路拡張の影響で故障したため、いつ復旧するかわからないと言われた。その後、20日の朝に本局で聞いたら、「お宅の電話機が故障しているから」との答え。では、なぜTelkom Speedyが使えないのか、と聞くと回答できない始末。

とにかく、何度も何度もお願いしているのに、電話局の職員が現場に様子を見に来ない。見に来ないで、原因を勝手に決めつけている。20日の午後3時半になって職員がようやく初めて到着。道路拡張の際に電話線を移動したとき、電話線を1本接続するのを忘れたため、とすぐに分かった。そして接続してすぐに復旧。「現場に来ればすぐ分かること」と言い残して職員は去っていった。

これが、公共サービスの向上を掲げるインドネシアのサービス業の現状である。一体、この10日間は何だったのか。時間を作って何度も電話局へ出向いても、埒が明かなかったのだから。

さあ、次は、大家が依頼した木の伐採で割れたガラスの始末の番だ。これも結局、大家が何もしないので、こっちが動かざるをえない。ふーっ。

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2007年11月19日

『選挙の後に死す』

17日夜、イニンナワ・コミュニティを舞台に、地元芸術家のフィルマン・ジャミルが中心となり、『選挙の後に死す』というパフォーマンスが行われた。16日に南スラウェシ州知事選挙の結果が正式発表されたのを受け、住民から距離の遠い政治エリートを批判、とくに南スラウェシ州知事選挙も政治エリート層による権力者の交代に過ぎない、との主張を秘めた無言のパフォーマンスであった。

まず、プリンティス・クムルデカアン通りを挟んだ向かい側にあるメルセデス・ベンツのオフィスの前で、フィルマン氏を含む3人の演者が頭上に火を焚いた素焼きの小瓶を乗せる。3人はそのまま、交通量の多いプリンティス・クムルデカアン通りを車の流れを遮って渡っていく。

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プリンティス・クムルデカアン通りをわたる3人の演者


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posted by daeng at 13:55| Comment(0) | TrackBack(0) | マカッサル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

いろいろトラブル

このところ、ずっとマカッサルにいる。先週は、南スラウェシ州知事選挙の結果が発表され、現副知事が現知事を破って新州知事になることが決まった。たまたま、16日には友人に誘われて、当選した現副知事の「勝利スピーチ」を聞きにいった。その様子を、インドネシア版オーマイニュースともいうべき『パニンクル』にインドネシア語で記事を書いた(「勝利スピーチの後にゴミ拾い」を参照)。

今日でもう10日間、電話が使えない状態で、Telkom Speedyを使ったインターネット常時接続も全く使えない。もう何度もクレームをつけ、2回はわざわざオフィスへ出向いた。原因は電話地下ケーブルの故障の様子。クレーム係に電話すると「こちらは地上の問題を扱うので、地下の問題は別の部署」との答え。文句をいうと、上司と思しき男性が電話口に出て、平謝りされた。仕方ないのでIndosatnetの3.5Gでつなげるが、これがすぐに切れてしまって使えない。結局、所属先の大学に来て常時接続につなげている状態である。

15日には、家の大きな窓ガラスが割れた。大家が大木の幹を切るように使用人に連絡、その使用人が探してきた作業員が不注意で大きな幹をそのまま切り落とし、それが窓ガラスを直撃した。大家は当初、他人事のように「直してくれ」といってきたので抗議すると、「こっちでやる」との返事。17日の午前中に強風で残っていた窓ガラスもすべて崩壊、窓枠のみを残すのみとなった。雨季に入って、雨風が入ってくるとの懸念。もっとも、おかげで、涼しい風が入ってきて、部屋は涼しくなった。夕方からの蚊ははるかに多くなったけれども。

このところ、トラブル続き・・・。

posted by daeng at 13:29| Comment(1) | TrackBack(0) | マカッサル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月16日

南スラウェシ州知事選挙に添えて

11月16日、南スラウェシ州選挙委員会(KPUD)は、11月5日に投票が行われた南スラウェシ州知事選挙の投票結果を正式に発表する。すでに、14日までに県・市レベルでの開票を終えている。

インドネシアの地方首長選挙は正と副のペアで立候補して戦うが、今回の南スラウェシ州知事選挙では、現知事と現副知事がそれぞれ知事候補として戦う展開となり、14日の集計結果では現副知事が現知事を1%以下の僅差で下すという結果になっている。これまでのインドネシアの地方首長選挙で、現職の正副知事が戦って副知事が勝てば、おそらく初めてのケースになるだろう。

当地では、現知事の支持者数百人が「不正があった」として選挙委員会に押しかけて、投票結果の正式発表を行わないよう圧力をかけた。16日もより多くの動員で圧力をかけることだろう。現副知事の支持者は今のところ自制しているが、当選発表となれば市内に繰り出すであろうから、両者間の衝突が起こって、市内が騒然とするのではないかとの懸念が現われている。

我がイニンナワの若者たちの投票行動は正確に把握していないが、現副知事に投票した者と棄権した者が同じ程度だったように思う。みんな、選挙に対してはかなり冷めていた。

友人の芸術家フィルマン・ジャミル氏が、そんな地方首長選挙を「権力者やエリートの茶番ではないか」と風刺するパフォーマンスを11月17日夜にイニンナワで行う。我が家の前のプリンティス・クムルデカアン通りを挟んで、向こう側とこちら側とを行き来するパフォーマンスとなるようだが、詳細は当日のお楽しみである。

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2007年11月12日

知人の州政府高官の怒り

私の知人の南スラウェシ州政府の高官が、日本の某私立大学での国際シンポジウムに出席するため、日本へ発った。彼は日本へ行ったことはあるが、よく知っているというほどではない。その彼が、出発前から心配して電話をしてきた。

まず、「空港から会場の最寄のホテルまでどう行けばよいか分からない」という。どうも、国際シンポジウムの事務局は空港に出迎えを送らず、自力で来て欲しいということのようだ。最近の日本での国際シンポジウムは、外国からのお客さんに自力+自己負担でたどり着いてもらうのが普通なのだろうか。これも経費削減のためなのか。

次に、奥様を同伴したいといったら、関係大学教授に「ダメ」と言われたそうだ。知人は、奥さんの同伴費用をもちろん自己負担すると言っているが、それでもダメなのだそうだ。その理由は「奥さんが日本で不法就労するかもしれないから」というもの。たしかに、日本にはたくさんのインドネシア人不法就労者がいると言われているけれども、こんな言い方はないのではないか。もちろん、奥さんのビザは、当地の日本総領事館からきちんと発給されているのだ。

この知人は、「当地で、JICAをはじめ、様々な日本人の活動がスムーズに進むように世話をしてきたのに、日本でのこの仕打ちは何なんだ?」と怒っていた。とくに、奥さんを不法就労者予備軍のように言われたことにカチンときた様子だった。

小さなことだが、こうしたことが積み重なって、インドネシアの日本に対する悪い印象を助長していくのではと思うのだが・・・。
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2007年11月07日

最悪の渋滞の中を歩いた

我が家の前のJl. Perintis Kemerdekaanが11月6日の夕方4時過ぎから大渋滞になった。昼過ぎに降った雨で、海側を走る高速道路がドロドロの泥道状態になって閉鎖されたため、そこを通る予定の自動車やバイクがどっとなだれ込んできたことが要因のようである。

Jl. Perintis Kemerdekaanも海側の高速も、現在、片側4車線へ拡張工事中なのだが、舗装した車線の外側部分を処理せずに放置しているため、そこが雨でドロドロの状態になってしまっている。それが道路全体にかかってしまって、通れなくなったのだろう。でも、そんなことは、雨季になれば起こることぐらい、お見通しのはず。海側の高速を施工しているボソワ・グループのお粗末な工事といわざるを得ない。

こんななか、私は街中での午後7時からの夜の会合に出かける必要があった。たまたま、家のまん前でトラックが脱輪し、車の出入りに支障が出た。私の車のガソリンの量が少なかったこともあり、タクシーか乗合(ペテペテ)で出かけざるを得なかった。

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脱輪したトラック

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posted by daeng at 02:48| Comment(0) | TrackBack(0) | マカッサル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする