2007年11月07日

最悪の渋滞の中を歩いた

我が家の前のJl. Perintis Kemerdekaanが11月6日の夕方4時過ぎから大渋滞になった。昼過ぎに降った雨で、海側を走る高速道路がドロドロの泥道状態になって閉鎖されたため、そこを通る予定の自動車やバイクがどっとなだれ込んできたことが要因のようである。

Jl. Perintis Kemerdekaanも海側の高速も、現在、片側4車線へ拡張工事中なのだが、舗装した車線の外側部分を処理せずに放置しているため、そこが雨でドロドロの状態になってしまっている。それが道路全体にかかってしまって、通れなくなったのだろう。でも、そんなことは、雨季になれば起こることぐらい、お見通しのはず。海側の高速を施工しているボソワ・グループのお粗末な工事といわざるを得ない。

こんななか、私は街中での午後7時からの夜の会合に出かける必要があった。たまたま、家のまん前でトラックが脱輪し、車の出入りに支障が出た。私の車のガソリンの量が少なかったこともあり、タクシーか乗合(ペテペテ)で出かけざるを得なかった。

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脱輪したトラック

午後6時。タクシーが捕まらないので、とりあえずペテペテに乗るが、全然前に進まない。いつもだと車で5分のスーパー「アルファ」まで1時間経っても着かない。何人かの乗客はしびれを切らせて、下車して歩き始めた。私も思い切って「アルファ」の前でペテペテを降り、歩き始めた。

渋滞で停まっている車と車の間を縫うように歩いていく。多くの車は、エンジンを消して停まっている。全く前へ動く気配がない。車と車の間にバイクがあらゆる角度から入り込んでくる。舗装道路の脇はドロドロの状態。それでもたくさんの老若男女が歩いている。私はあえて道路の真ん中を、停まっている車と車の間を縫って歩く。

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渋滞の光景(1)


街中へ向かう車と街中から外へ向かう車は、ちょうどウィラブアナ師団本部の前のあたりでぶつかり、全く動かない状態になっていた。我が家から師団本部前までは、街中へ向かう車の一方通行のような状態なのが、師団本部の先は逆に市外へ向かう車の一方通行のような状態になっていた。

「アルファ」の前から約1時間半歩いて、ようやく、州知事庁舎の前までたどり着いた。師団本部から先は、街中へ向かう車線が1車線確保されていたが、車はなく、快適に歩けた。州知事庁舎の前でペテペテを拾い、それで街中へ入り、タクシーに乗り換えて、何とか会合の場所へたどり着いた。そのときの時間は午後8時50分。家を出てから2時間50分が経過していた。

でも、私が乗っていたペテペテは、きっとその時点で、まだ師団本部前までもたどり着いていなかったことだろう。

夜の会合が終わり、知人に車でパナクカンまで送ってもらった。そこでタクシーを拾ったが、「Jl. Perintis Kemerdekaan方面へは行かない」と言う。しかたなく、渋滞が始まるところまでタクシーに乗せてもらい、またそこから歩いて帰ることにする。10分ぐらいタクシーに乗って、裏道のJl. Daeng Siruaを進んでもらったが、すでに渋滞状態。「もう行きたくない」というのでそこでタクシーを降り、再び歩き始めた。

途中、テロ川沿いの発電所の手前で車に乗った在留邦人の知人Kさんと遭遇。「5時に会社を出てまだ車に乗ったまま」と言う。5時間以上車に乗っている計算だ。私は、車やバイクで埋まった道の端の側溝のところを気をつけながら歩いていく。Jl. Perintis Kemerdekaanに入ってからは、再び道路の真ん中を、停まっている車の間を縫って歩いていく。

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渋滞の光景(2)


ふと空を見上げると、オリオン座がきれいに光っている。車やバイクのエンジンを停められた道路の真ん中でみる星空の何と美しいことか。路上の人々からも「星がきれい」という声が聞こえてくる。

私が車と車の間を縫って「タベ」とか「プルミシ」(いずれも「すみません」の意味。前者がマカッサル語、後者がインドネシア語)と言いながら歩いていると、車もバイクも道を少し空けてくれる。それだけでなく、通り道にライトを照らしてくれるのだ。そんな振る舞いに、マカッサルの人々の温かさを感じてしまう。

歩き始めて約1時間半、ようやく我が家の近所のなじみのコピー屋の看板が見えてホッとする。道路っ端では、イニンナワ・コミュニティの仲間たちが渋滞見物をしている。今晩も家で眠ることができるのだ。

ジャカルタでもこんな渋滞は観たことがない。だって、車もバイクもみな路上でエンジンを止めているのだ。あたかも、道路が最長の駐車場になったかのようである。しかも、殺気だった雰囲気はほとんどない。タバコをふかしながら「しょうがないなあ」という感じで諦めに近い感じ。これもマカッサル流なのか。

それにしても、久々に1日10キロぐらい歩いてくたびれた。もし車を使っていたら、家に戻っては来れなかっただろう。道路の中央を車の間を縫いながら歩くというのは、今日に限っていえば、最良の方法だったような気がする。

明日も街中で夜の会合がある。また歩くことになるのだろうか?

午前1時現在、我が家の前のJl. Perintis Kemerdekaanはまだエンジンの止まった車とバイクで覆いつくされたままである。

posted by daeng at 02:48| Comment(0) | TrackBack(0) | マカッサル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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