2007年09月13日

スマトラ南西部沖の地震

昨日(9月12日)、スマトラ島南西部ベンクル沖で起こったマグニチュード8.4の地震は、その後、現在に至るまで度々の余震を引き起こしている。

幸い、地殻変動が垂直ではなく水平へ動いたので、震源の深さが2004年12月末のスマトラ沖大地震と同じ10キロだったにもかかわらず、大きな津波は起こらなかった、ということである。しかし、西スマトラ州やベンクル州では多数の建物が壊れ、多くの人々が建物の外で不安な日々をおくっている。

折りしも、12日の晩から断食月の夜の礼拝が始まり、地震はその最中の人々に降りかかってしまったのであった。「聖なる断食月に入るそのときに、なぜ神はこのような仕打ちを我々人間になさるのか」と多くの人々が祈ったはずである。

ジャカルタの邦人関係の方から状況確認の電話をいただいたが、筆者の住む南スラウェシ州マカッサルでは、この地震の揺れは全く感じなかった。ジャカルタは揺れたようなので、心配してくださったのだと思う。スラウェシ島は、真ん中から北および東では結構大きな地震が発生するが、南スラウェシ州のパレパレよりも南、マカッサル周辺ではこれまでに大きな地震が発生したという話を聞かない。地震が少ない場所としてはほかにカリマンタンがあるが、マカッサル周辺も地震が少ないところのようだ。

だから安心!といいたいところだが、逆にいうと、万が一、インドネシアの他の地域より確率はずっとずっと低いにしても、万が一、地震が起こったら、きっと何の準備もできてないマカッサルは大きな被害に見舞われることだろう。やはり、地震がほとんどないマカッサルでも、防災への備えをしておくに越したことはない。

posted by daeng at 19:17| Comment(3) | TrackBack(0) | マカッサル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
地震発生の様子からみて、マカッサルまでは影響少ないだろうと思っていましたが、ひとまず安心です。しかし、2004年アチェ大津波の後、たしかスラウェシ南部でもかなり大きな地震がありましたね。日本もそうですが、インドネシアも太平洋を囲む火の輪のうえにある島々、自然の力は、いつ、何を引き起こすか、わかりません。
今回のスマトラ南部地震は、2004年のような大被害こそないようですが、現地では建物の倒壊などで多くの負傷者も出ているようです。折しも日本は、安倍首相辞任という政界大地震、はるかインドネシアの災害になど配慮する余裕もなさそう…。例によって、インドネシア国内情報はなかなか伝わってきませんが、ラマダンも始まった今、現地はどんな様子かと気にかかります。
Posted by ibuhijau at 2007年09月14日 09:16
ibuhijauさま、アチェ大津波の後にスラウェシで大きな地震が起こったのはゴロンタロ州などトミニ湾沿岸でしたが、あの時は、アチェの経験を教訓としたゴロンタロ州政府が即座にすべての沿岸の村に避難命令を出し、死者ゼロでした。幸い、大きな津波もありませんでした。

今回のスマトラ南西部地震については、死者の数が少なく、カラ副大統領は「外国援助は不要」と述べました。メディアだけからなのでバイアスがあるかもしれませんが、全般的に落ち着いて対応している印象を受けます。日頃からの防災訓練がものを言う、ということを今回の経験からインドネシア国民が学んでくれることを願っています。
Posted by daengkm at 2007年09月14日 13:29
10年前の1997年、小生がマカッサルに赴任して早々、多分8−9月ごろでした。日本人会の行事でマカッサルの港湾局のビルの上層階に集まっていたとき、大きな地震があり、ビルが倒壊するのではと恐い思いをしました。かなりの方が階段から避難しました。そのときの震度などは忘れてしまったので、そんなに大きなものではなかったかも知れません。しかしインドネシアのコンクリートのビルの構造を見ていると恐いです。
Posted by wacin at 2007年09月15日 11:19
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