ビシャカパトナム市内に限っての話だが、道端でぼーっとしている人を見かけない。やるといったことは必ずやる。相手の気持ちを汲んだサービス。実に快適なインドでの滞在であった。
インドといえばIT大国。今回の旅はその恩恵を十分に肌で感じた。チェンナイでもビシャカパトナムでも、泊まったホテルは四つ星のビジネスホテル。ここで無線LANを無料で使うことができた。お世話になったソムニードの事務所も無線LAN完備。クアラルンプール国際空港のどこでも無線LANを含め、こんなにインターネット環境が整った形で旅をしたのは初めてだった。
チェンナイ=ビシャカパトナム間で乗ったキングフィッシャー航空。期待していなかったが、この新鋭格安航空会社は素晴らしかった。チェンナイ空港に入るなり、係員が「キングフィッシャー航空のお客様ですか」と言って駆け寄り、荷物をエスコートしてチェックインカウンターまで誘導、数分でチェックインを完了。機内では宣伝用のポーチを配り、紙パックのジュースが出された後に離陸、食事はベジまたはノンベジのサンドイッチだが、デザートも含めてきっちり出され、サービスに関するアンケート用紙が配られる。とても快適なフライトだった。
インドからジャカルタに戻ると、あの快適な気分が一気に吹き飛んだ。国内線のチェックイン・カウンターは長い行列。航空会社のコンピュータがダウンし、係員が手書きで懸命に汗だくになりながら搭乗券を一枚一枚作成している。コンピュータがダウンしているというのに、手書き要員の増員は行われない。もちろん、航空会社側からお詫びの一言もないのだ。
ジャカルタの空港内はインターネット無線LANの使える場所が限られており、しかも2時間9万ルピアを払わなければならない。
あきれたのは、機内でのスチュワーデスの対応である。エアコンの不調で天井から水が滴っているのを乗客がクレームすると、「何か飲み物を天井のモノ入れにしまったのではないですか。それが原因では?」というのだ。一体、この航空会社は職員にどういう教育をしているのだ? まず「自分は悪くない」「客が悪い」と言わせるように教育しているのだろうか。最終的にエアコンの不調であることを認めたが、「拭けば何とかなります。いやなら空いてる席に移ってください」と言って、一切詫びようとしない。この航空会社、中型ボーイング機を世界で最初に使用することを喧伝しているのだが、機内では水しか出ないし、スチュワーデスのサービスは最悪である。
これだけ体験が違うと、残念ながら、これが今のインドとインドネシアとの差に思えてしまうのである。それが単なる誤解であることを願いたいところなのだが・・・。
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