日本文化祭では、柔道の実技紹介、茶の湯のデモンストレーション、インドネシア語曲を愛好する日本人グループ「ラグラグ会」マカッサル支部によるアニメソング、などが行われ、午後からはジャカルタで漫画スクールを主宰されている前山まち子さんによるワークショップが開催された。
私は都合で午前中しか日本文化祭を見られなかったが、総領事館関係者によると、500人以上の入場者があって「大成功」とのことであった。我が家でもささやかながら毎月、日本映画の上映会をやっているが、1回のイベントだけでなく、継続的に少しずつ続けていくことが大切と感じた。
夜は、インドネシア日本友好協会(PPIJ)マカッサル支部の設立会議に出席、いろいろあって、マカッサル支部の副支部長に任命された。支部長はハサヌディン大学学長。草の根レベルの心と心の付き合いを目指す、としている。
PPIJの議長であるラフマット・ゴーベル氏(パナソニックの現地合弁であるナショナル・ゴーベル社長)も出席し、日本からの投資回復への期待とともに、Industri berdasar budaya(文化に基づいた産業)という表現を使って、特色のある地域産業振興の必要性を説いた。と同時に、観光振興と教育の必要性を語った。私自身は、日本にとってのメリットは何かという点について、若干のコメントをした。
前々から会いたいと思っていたゴーベル氏とこの場でいろいろと話ができたのが私自身の最大の収穫であった。ゴーベル氏からは、昨今インドネシアに滞在する日本人のインドネシア理解が浅くなっているとの指摘を受けた。そして、地震、津波、事故、といたことでしか日本にインドネシアの情報が伝わっていかないもどかしさを表現していた。インドネシアに関する情報発信という点では、インドネシアに関わる仕事を長年続けている私自身、反省することしきりである。私自身の情報発信能力をより一層高めていかなければ、と思った。
他方、ハサヌディン大学の友人からは、日本人のインドネシア理解よりも、インドネシア人自身の日本理解が極めて表面的であることが指摘された。このため、もっと日本研究を進めることが重要であるとし、戦前の日本との関係に関する自著の出版計画が発表された。日本語やアニメだけでなく、日本の様々な分野について理解が深められるよう、PPIJの役割への期待が表明された。
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