映画が終わった後、参加した地元の学生らと議論したが、個人的には、家族のために戦うことと義のために戦うことがすんなりと結びつかないだけでなく、その2つが「死んではならない」という映画の放つ主張ともうまくつながらない、そんな印象を受けた。「芸者は今でもいるのか」「カネ、カネという吉村はインドネシア人みたいだ」といったコメントも出たが、果たして、地元の学生らはどこまで映画の意図を分かったのだろうか。
「壬生義士伝」を観る前に、在留邦人のM夫人の指導で、茶の湯の入門編をデモンストレーションした。
実は、この日は夜も2本の映画上映があった。まず、麻薬所持容疑で警察に追われている女の子2人が村レベルでダンドゥット興行しながら、歌が貧しい人々の心の糧となっていることを知っていくインドネシア映画を観る(題名は忘れた)。
その後、チャン・イーモウ監督作品『The Road Home』(邦題は「初恋の来た道」)を観賞。風景映像と主演のチャン・ツィイーの美しさに感動し、素朴なストーリーを堪能した。
今後、毎週土曜日の夜8時から我が家で映画上映が行われることになった。次回2月24日は2006年東京映画祭で三冠を受賞した『Little Miss Sunshine』を上映する。
これら以外に、2週間に1回、主にマカッサルをテーマにした短編記録映画の上映会も行う予定。
上映作品は、映画好きの仲間があらかじめ内容をチェックし、テーマ性のあるものを選抜するという。通常の映画館では上映しない、娯楽性よりも中身を重視した選択をするそうだ。
これで、マカッサルに新たな映画鑑賞スポットが生まれることになった。我が家は、ちょっと一味違う映画館の機能を果たそうとしている。
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