27日の昼に、友人とJl. Seruiの『カフェ・ママ』でスイーツを食べた。この店はなかなかしゃれていて、他の店にはない面白い手作りスイーツが食べられる。私が試したのは、「ココ・ビーン・アイス+アイスクリーム」。アイスクリームは自家製で、バニラ、ラムレーズン、チョコレートなどから選べる。
これは、若いココナツの果肉にホイップした薄いクリーム状のものと小豆が入った上に好みのアイスが乗っている。ちなみに私はバニラ・アイスにした。エス・チャンプルに似ているが、もっと上品な感じで、小豆が絶妙のアクセントになっている。
寒くなってきた日本の皆さんにはちょっと寒々しい話題かもしれない・・・。
実はもう一つ、この店には隠れた名物があった。それは・・・。
「カラケレ」(Kalakere)という焼菓子である。見た目はパンのような形をしているが、カリッとした食感のラスクのようなお菓子である。
インドネシア東部では、サゴ椰子でんぷんを使ったスナック・焼き菓子がいろいろあり、これもその仲間かと思うが、小麦粉が主体で、サゴ椰子でんぷんも含まれているような感じ。砂糖の甘さが前面に出るお菓子が多いなかで、このカラケレは甘さ控えめ、上品なおいしさである。
このカラケレ、マカッサルの伝統菓子の一つだという。しかし、我が家に出入りしているブギス・マカッサル・トラジャの若者は誰一人知らなかった。
『カフェ・ママ』へ一緒に行った友人は華人系。ということは、マカッサルの菓子や食べ物でも、華人と非華人との間で情報の断絶があるということなのか? 同じマカッサルなのに、違うものが「名物」と認識されている・・・。これはなかなか面白いと感じた。
マカッサルには、実はたくさんの種類の伝統菓子があるという。儀式によって、作られる菓子が皆異なるのだ。いったい、何種類あるのか。一つ一つ写真に撮って、具体的に調べてみたいという意欲が湧いてくる。
『カフェ・ママ』の店主は、華人系の世界でのマカッサル伝統菓子をよく知る人物とのこと。幸か不幸か、異なる「世界」を生きてきた人々同士がともに暮らす「マカッサル」を合言葉に交じり合い、情報と食を共有する試みを新年を契機に始めてみるつもりだ。
【関連する記事】