空き地は枯れ草で覆われ、タバコの火の不始末か、乾期が長引いていることによる自然発火か、原因は分かっていない。
今回の火災は、幸い、風向きが西風だったので、空き地の西側にある我が家への延焼は免れた。しかし、もし東風だったら、と思うとぞっとする。
区長(Lurah)の呼びかけで付近の住民が消火活動に当たるとともに、我が家に出入りする学生たちにも我が家の2階から水をかけるように指示が出され、2階から水をまいた。昼間断水しているため、おかげで家の中の水はすべてなくなってしまった。11時半頃になって、ようやく消防車がやってきて、消火活動を行った。
「消防車の台数が少ないからなあ」「乾期で水もないしなあ」とは区長の弁。本当にそうなのだろうか。
(消火活動に当たる消防隊)
消防署に通報したのは、我が家にオフィスを構える出版社Ininnawa代表のJ氏。彼によれば、彼が電話をすると、消防署から「火事の原因は何だ」「誰が責任者なのか」と問い詰められ、結局、取り合ってもらえなかった。火事の原因なんて、どうして分かるのか。早く火を消して欲しいのに、とJ氏は憤る。
消防車が来たのは通報してから1時間半後、家主の従兄弟の検察官が電話して始めて出動した。責任者がはっきりしなければ、消防士の活動経費を負担してもらえない、という事情があるようだ。冗談じゃない。自分で火をつけたならまだしも、火事が起きても「責任者」がはっきりしないと、活動経費を支払う者がはっきりしないと、マカッサルの消防署は出動しないのだ。
さらに、火災の現場に駆けつけた区長は、すぐに「我が家に出入りしている学生や若者が空き地にタバコを投げ捨てたため」と勝手に断定し、彼らを怒りまくった、という。身に覚えがない彼らは抗議し、ようやく区長は納得した。なぜ、何かがあるとすぐに「犯人探し」をしなければならないのだろうか。
それにしても、この広大な空き地、もう何十年も放置されたままになっているという。また、焼け跡からは臭いにおいがした。一体、所有者はこの土地をどうするつもりなのだろうか。
インドネシアの今日を彩る様々な断面が見えた、隣の空き地の出火であった。
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皆さんも家もご無事で何よりです。
家に火が移らなかったからいいようなものの、通報してから1時間半も経ってから消防車が来るなんて・・・。
明日、そちらにお邪魔しますので詳しい話はまた明日。ではでは。