以前、1990年代の半ば頃に市バスは休止になり、市内の公共交通機関は、ペテペテ(Petepete)と呼ばれる乗合とタクシーになったのだ。市バスが走っているのを見るのは本当に久しぶりだ。
Jl. Bawakaraeng付近を走る市バス。バスの左の青い車がペテペテ。
実は最近、マカッサル市長がペテペテを減らし、市バスに代替させる計画を打ち出した。ペテペテの台数が増えて主要道路の交通渋滞が激しくなっていることと、排ガスによる大気汚染を減らすことが目的である。
それに加えて、ペテペテの運転は、インドネシアでも有数のすごさ。割り込みや幅寄せは茶飯事で、右ウィンカーを出して左に曲がったり、急発進・急停止、頻繁な車線変更、など、その乱暴さはある意味でマカッサル名物といえる。それでも、遠近関係なく1回2000ルピア、運転が乱暴であることを除けば車内で危険を感じることはない、市民に欠かせない交通機関となっている。
市長の市バス復活、ペテペテ削減発言は、ペテペテの運転手にとって死活問題である。我が家に集まる地元NGOの一部が、10月13日の夜に、知り合いの市会議員と一緒に、ペテペテの運転手を我が家に集めてこの件に関する討論会の開催を計画した。しかし、結局、市会議員は来たが、ペテペテの運転手は来なかった。レバランを前に、少しでもカネが欲しい時期。ペテペテの運転手は時間を惜しんで働いていたからである。
14日に見かけた市バスは、10数年前に走っていたバスと同じもののようだ。黒い排ガスを出す、古いバスだ。ここでは、水道局の給水時間制限のように、市民の告知せずにひそやかに試行をやってしまう。オンボロ市バスの走行はその一環なのか。あるいは単なるレバラン帰省用の試運転なのか。単にペテペテをバスに代えるだけではない、総合的な交通対策が現場に即して考えられるべきだと思った。
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