今回の自宅は、マカッサル市中心部より空港寄りにある国立ハサヌディン大学の目と鼻の先にある。いろいろ訳あって、大きな家を借り、その1階の後ろ半分に住んでいる。今回は単身赴任。残りの部分は、地元マカッサルのインドネシア人の若者たちによるNGOのオフィスなどとして使われている。
6000冊の蔵書を持つ図書館を運営するBiblioholic、高校生を対象としたフィールドワーク・プログラムを実施するRumah Kamu、原田正純著『水俣病』のインドネシア語版などを出版したMedia Kajian Sulawesi、ボネ国のスルタンであるアルン・パラッカ王に関する歴史学者Andayaの著作を翻訳出版したIninnawa、インドネシア語版『オーマイニュース』でもあるPanyingkul!、などの連絡先がここになっている。
なかなか面白い活動をしているNGOで、しかも金儲けにせっせと励むという風でもないのが不思議だ。でも、話していると実にしっかり物事を考えている様子。そんな彼らが、この自宅の場所をお披露目するために、9月28日〜10月1日の4日間、写真展、映画鑑賞、詩の朗読会、本に関する討論会、映画に関する討論会、などを開催し、Buka Puasa(1日の断食終了)に手作りの地元菓子を振舞う、ということをやっていて、これがなかなか興味深い。
9月28日は、午後2時頃から延々と映画鑑賞をしていた。ちょうど届いたばかりの私の日本映画DVDのなかから『スウィングガールズ』を英語字幕で流したところ、けっこう受けて盛り上がっていた。Buka Puasaの少し前から、自宅の外に建てられた竹製の小屋がけで開会の宴があり、会場提供者としての私もひと言挨拶をさせられた。その後、一斉にBuka Puasa。ココナツや果物の入った甘い飲み物とバナナの手製地元菓子が振舞われた。
お菓子作りに励む女性たち
写真展の会場でもある竹製の小屋がけでBuka Puasa
いろいろなバナナのお菓子
その後のイベントは何かな、と思っていたら、みんな飲み食いしながらベチャベチャしゃべっているだけ。会場には地元写真家グループの写真が展示されて展覧会のようになっている。「こうしたスペースはマカッサルにはこれまでなかったと言ってよい」とある写真愛好家は言っていた。
自宅がこのような形で、マカッサルでの新しい何かを生み出すきっかけを作る場になってほしいと願っているし、自分もそれに微力ながら関わってみたいと思っている。
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赴任のご挨拶メールをいただきながら、お返事もせず失礼しました。このエントリーを読んでマカッサルに行きたくなりました!!