LIPIから内務省へ出向き、調査通知書(SPP)を申請。内務省を入ってすぐの高いビルの6階へ出向きましたが、看板がないのでうろうろしながら担当者に話をすると、それまで楽しくうだうだ話をしていた担当者が「明日発行でいいだろ?」といいながら、事務的に申請書受け取りの書類を作って「明日午後に」でおしまい。これで今日の手続は終了。
ちょうどお昼時だったので、Pasar BaruでMie Ayamを食べようと思い、内務省から歩き始めたら、Jl. Veteran Iの様子が変わったことに気づきました。かつて軒を並べていたKing、Queenといったインド料理レストランが姿を消し、イタリアンなどに加えて、創作ジャワ料理の店が並んでいました。その一つ、Dapur Babah Eliteに入ってみました。
この店は2年前に開店しましたが、経営は東ジャワ州マランの有名ホテルであるHotel Tuguです。Hotel Tuguはジャワの古い洋食屋であるToko Oen(トコ・ウン)の流れを組むパンや洋食を出すことでも知られていますが、最近になってジャカルタで多店舗展開をし、このDapur Babah Elite以外にも、Lara Djonggrang(Jl. Cik Di Tiro No.4, Menteng)やShanghai Blue および Samarra Pasar Sate & Wine(Jl. Kebon Sirih Raya 77-79)を経営しています。
店の中はちょっと穴倉に入ったような、しかも東洋的な不思議な雰囲気を醸しだす空間で、バックにインドネシア風の環境音楽が静かに流れている、クッション付きの椅子もあって、ちょっとくつろげるような感じでした。
ここで、まず、店員に薦められて、メニューに載っていないPlasir D'Amoureという飲み物を注文。紅茶とジャスミン茶に椰子砂糖、ライムとシロップをカクテルにしたもので、さっぱりとした口当たり。もちろんノンアルコールです。続いて、Nasik Goerih Bebek(鴨付きの味付けご飯;写真)を頼みました。見た目はジョグジャのグデッのようですが、ご飯の周りに鴨(bebek lengkoeas)、味つき玉子豆腐(tahoe telor ketjap)、玉子焼き(telor dadar)、小魚とピーナツの炒りものなどがのり、これにサンバル・ゴレンをベースとしたインゲン入りのスープと大きな小魚入り揚げせんべい(ルンペイエ・トゥリ)が付きます。
鴨は中華のように甘辛くせず素直に焼いただけでしたが、骨まで食べられました。ジャワの料理には、せんべいや炒り小魚など口の中でアクセントになるようなおかずが含まれますが、その意味では今回の料理はアクセントが様々に楽しめました。豆腐も炒りものもしっかり味が付いていておいしかったのですが、若干しょっぱい。ルンペイエはちょっと大きすぎて、食べ切れませんでした。
食後に、特製カキ氷(Es Tjampoer Babah)を頼みましたが、これもなかなかのおいしさ。飲み物のPlasir D'Amoureが2万ルピア、Nasik Goerih Bebekが65,000ルピア、Es Tjampoerが25,000ルピア(これらに税・サービスが付く)、とちょっと贅沢な昼食となりました。
店内の表記はすべて昔のマレー表記にこだわるなど、昔のジャワのイメージを取り入れながら、新しい創作ジャワ料理を出してみようとする、こうしたレストランがジャカルタにはここ数年何軒もオープンしているようです。食には保守的といわれるインドネシアの人々にいい意味での余裕が出てきたことの現われなのか。その一方で失業者が増大し、製造業の雇用吸収力が低下している現状とこうしたレストランの開店とのちぐはぐさがなんとも言えず感じられてしまうのでした。
近くには、私の行きつけのイタリア・アイスクリーム屋であるRagusaもあります。この店は、店の前で売っているサテ・アヤムを店内で食べている客のほうが多い、という変な店ですが、植民地時代のパサール・ガンビル(今の独立記念塔公園にあった)に出ていたという歴史ある店です(機会があればこの話はいずれまた)。
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