この地域では、1871年と1939年に大地震を経験し、とくに1939年のマグニチュード8.6の地震の際には、津波で甚大な被害を受けた経験を持っています。今回もその経験から、津波の可能性があると判断、地震発生後すぐに、ゴロンタロ州知事が関係県知事・市長に沿岸住民の避難を命じました。インドネシア気象庁も津波の可能性を伝えていましたが、結局、最終的には津波発生せずとの判断を示しました。
この地域は西からのユーラシア・プレート、東から太平洋プレート、北からフィリピン・プレートの3つのプレートがぶつかり合い、2000年にはこれがバンガイ諸島での大地震を引き起こし、クラカタウのように、トミニ湾の海底からウナウナ山を海面上に表出させるに至った、ということです。ただし、ぶつかり方の微妙な違いによって、津波が起こる場合と起こらない場合が現れてくるようです。
同様の規模の地震でも、500人以上が亡くなったジャワ南部海岸と被害が報告されていないトミニ湾周辺との差は、どこにあるのでしょうか。単に人口密度が違う、ということ以上に、比較検証される必要があると思います。
地震や津波の予想情報が携帯電話のSMSでいろいろ流れている様子で、なかには嘘の情報も少なくないようです。愉快犯が多いのでしょうか。地震・津波の予報は難しいというのに・・・。政府は、地震・津波情報をテレビやラジオで速報することを義務付ける方向です。正しい情報はSMSではなくテレビ・ラジオで、という風になっていくことが望まれますが、まだまだ紆余曲折は続くのでしょう。
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