今回初めてだったのですが、官製の様々な団体や民間企業のブースの多さにびっくりしました。「食育」ってかなりの事業・ビジネス機会になるのですね。
その一方で、JAや地方のブースは意外に少ない印象を受けました。しかも、それらのブースの多くはあたかも○○物産展のノリで、声を枯らして持ってきた特産品を売っていました。
「食育」という言葉が様々に広がっているのかもしれません。官のブースでは、食を通じた健康や栄養に関する教育・啓蒙の要素が強いようでした。幼稚園や保育園のときから教えられる三角食べ(ご飯・お汁・おかずを順番に食べる)の延長線上にあるものでしょうか。赤・黄・青の色で区別して教える、というのもまだ健在でした。
私が懇意にしているローカルジャンクション21(LJ21)のブースでは、LJ21自身が地方で選りすぐって見つけてきた良品を「おっそ分け」するという形で、地方と都会の人と人を結ぶ、そこに「大人の食育」という意味を潜り込ませる、というコンセプトですが、そのような意味で「食育」を捉えているところはほかにはあまり見かけませんでした。
台風で橋が流されて廃止の危機にある高千穂鉄道の存続を訴える高千穂山参会のブースでは、九州各地に日本ミツバチの「巣箱」を置いてそこから蜂蜜を収集している佐藤林さんの蜂蜜と増刊現代農業編集長の甲斐さんの母上手製の柚子胡椒(最後の1本)を購入しました。LJ21では、風丸寄せ豆腐、登喜和のテンペ4個(うち1個は新製品の黒豆テンペ)、山形県白鷹町の鮎チップ、水俣の松本和也さんのお茶3種類、などを購入しました。
それにしても、同じようなことをやっている食育を冠した財団法人の多いこと。やはり、食育は、地産地消もそうだけど、その土地土地でとれる食材をその食材を生み出す環境や作り手や料理も含めて総合的に理解して味わうこと、そうした地域があちこちにあることを尊重・理解して楽しく互いに交流すること、そうした関係性の構築から地域と住民が元気になっていくこと、つまり、ローカル性と密接に結びついているものだと思うんだけどね。東京の役所や企業がブースたくさん作って旗振るもんではないような気がする・・・。
【関連する記事】