インドネシアの地方首長選挙は正と副のペアで立候補して戦うが、今回の南スラウェシ州知事選挙では、現知事と現副知事がそれぞれ知事候補として戦う展開となり、14日の集計結果では現副知事が現知事を1%以下の僅差で下すという結果になっている。これまでのインドネシアの地方首長選挙で、現職の正副知事が戦って副知事が勝てば、おそらく初めてのケースになるだろう。
当地では、現知事の支持者数百人が「不正があった」として選挙委員会に押しかけて、投票結果の正式発表を行わないよう圧力をかけた。16日もより多くの動員で圧力をかけることだろう。現副知事の支持者は今のところ自制しているが、当選発表となれば市内に繰り出すであろうから、両者間の衝突が起こって、市内が騒然とするのではないかとの懸念が現われている。
我がイニンナワの若者たちの投票行動は正確に把握していないが、現副知事に投票した者と棄権した者が同じ程度だったように思う。みんな、選挙に対してはかなり冷めていた。
友人の芸術家フィルマン・ジャミル氏が、そんな地方首長選挙を「権力者やエリートの茶番ではないか」と風刺するパフォーマンスを11月17日夜にイニンナワで行う。我が家の前のプリンティス・クムルデカアン通りを挟んで、向こう側とこちら側とを行き来するパフォーマンスとなるようだが、詳細は当日のお楽しみである。