インドネシアの家庭料理のなかには、オランダから伝えられたマカロニ・スクートゥルと呼ばれる、言ってみれば、クリームのないマカロニ・グラタンのような食べ物がある。昔々、ジャカルタに下宿していた頃、下宿のイブがおいしいマカロニ・スクートゥルをよく作ってくれたのを思い出す。
ボゴールではそれが「マカロニ・パンガン」と呼ばれる。それを食べたいと思って訪ねたレストランの名前は、ズバリ、マカロニ・パンガン(略称:MP)であった。この店はJl. Salakにある。
このマカロニ・パンガン、肉だけのBiasa(普通)とマッシュルームも入ったSpesial(特製)の2種類がある。オーブンで表面がカリカリッとこんがり焼かれ、チーズの香りがなかなかよい。味がちょっと物足りない場合は、例によってサンバルをつけて食べる。
夜の店内はちょっと暗め。マカロニ・パンガンのほかに、様々な軽食や洒落た飲み物が用意されている。もともとは焼き菓子屋で、パウンド・ケーキもおいしそうだった。マカロニ・パンガンは持ち帰りも可能。
ボゴール植物園内のレストランのオランダ風メニューといい、ボゴールのちょっと洒落たレストランでは、オランダの匂いのするメニューが見受けられて楽しい。また、スンダ料理を現代風にアレンジした店も出てくるなど、ボゴールのレストランに面白い傾向も見られる。バダゴール(バソ・タフ・ゴレン)やアシナン(甘酢漬)だけではない、ボゴールの味を楽しんで欲しい。
余談だが、昨日、ジャカルタからマカッサルへ帰る飛行機のなかで、マカロニ・パンガンの箱を持った客を見かけた。マカッサルへお土産として持っていくような食べ物でもあるのだ。