2007年09月23日

オエルナシ村にて

9月18〜21日に東ヌサトゥンガラ州クパンへ行った。州政府とGTZが主催するセミナーで講演することが目的だったが、20日午前中にクパン県のオエルナシ(Oelnasi)村を訪問した。

この村のメリアヌス・トイ村長とは、昨年12月、ゴロンタロで行われたJICAのセミナーでお会いしたことがあり、そのときは、民族衣装を身にまとって、高校生たちに噛みタバコや村の産物について大声で説明していた。

幸運にも村長は私のことを覚えてくれていて、大きな木の下の木陰で止まることなく村の話を聞かせてくれた。木陰を渡る風はさわやかで、乾燥しきった大地とは対照的に、快適な時間を過ごすことができた。

村長はまず、村の生活に地域資源がいかに重要かについて話をしてくれた。ロンタラ椰子は飲用以外に家の建築材など様々に利用される。下の写真は、樹液を採取しているロンタラ椰子の木である。ロンタラ椰子は、南スラウェシ州南西部の乾燥地帯にもよく見られるが、こちらのほうが葉が大きく、緑が多いような気がする。ロンタラ椰子にも様々な種類があるのだろう。

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posted by daeng at 02:17| Comment(3) | TrackBack(0) | その他インドネシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月13日

スマトラ南西部沖の地震

昨日(9月12日)、スマトラ島南西部ベンクル沖で起こったマグニチュード8.4の地震は、その後、現在に至るまで度々の余震を引き起こしている。

幸い、地殻変動が垂直ではなく水平へ動いたので、震源の深さが2004年12月末のスマトラ沖大地震と同じ10キロだったにもかかわらず、大きな津波は起こらなかった、ということである。しかし、西スマトラ州やベンクル州では多数の建物が壊れ、多くの人々が建物の外で不安な日々をおくっている。

折りしも、12日の晩から断食月の夜の礼拝が始まり、地震はその最中の人々に降りかかってしまったのであった。「聖なる断食月に入るそのときに、なぜ神はこのような仕打ちを我々人間になさるのか」と多くの人々が祈ったはずである。

ジャカルタの邦人関係の方から状況確認の電話をいただいたが、筆者の住む南スラウェシ州マカッサルでは、この地震の揺れは全く感じなかった。ジャカルタは揺れたようなので、心配してくださったのだと思う。スラウェシ島は、真ん中から北および東では結構大きな地震が発生するが、南スラウェシ州のパレパレよりも南、マカッサル周辺ではこれまでに大きな地震が発生したという話を聞かない。地震が少ない場所としてはほかにカリマンタンがあるが、マカッサル周辺も地震が少ないところのようだ。

だから安心!といいたいところだが、逆にいうと、万が一、インドネシアの他の地域より確率はずっとずっと低いにしても、万が一、地震が起こったら、きっと何の準備もできてないマカッサルは大きな被害に見舞われることだろう。やはり、地震がほとんどないマカッサルでも、防災への備えをしておくに越したことはない。

posted by daeng at 19:17| Comment(3) | TrackBack(0) | マカッサル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月10日

マカロニ・パンガン(ボゴール)

8月にボゴールにいったときに食べた「うまいもの」といえば、マカロニ・パンガン(Macaroni Pangang)である。

インドネシアの家庭料理のなかには、オランダから伝えられたマカロニ・スクートゥルと呼ばれる、言ってみれば、クリームのないマカロニ・グラタンのような食べ物がある。昔々、ジャカルタに下宿していた頃、下宿のイブがおいしいマカロニ・スクートゥルをよく作ってくれたのを思い出す。

ボゴールではそれが「マカロニ・パンガン」と呼ばれる。それを食べたいと思って訪ねたレストランの名前は、ズバリ、マカロニ・パンガン(略称:MP)であった。この店はJl. Salakにある。

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このマカロニ・パンガン、肉だけのBiasa(普通)とマッシュルームも入ったSpesial(特製)の2種類がある。オーブンで表面がカリカリッとこんがり焼かれ、チーズの香りがなかなかよい。味がちょっと物足りない場合は、例によってサンバルをつけて食べる。

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夜の店内はちょっと暗め。マカロニ・パンガンのほかに、様々な軽食や洒落た飲み物が用意されている。もともとは焼き菓子屋で、パウンド・ケーキもおいしそうだった。マカロニ・パンガンは持ち帰りも可能。

ボゴール植物園内のレストランのオランダ風メニューといい、ボゴールのちょっと洒落たレストランでは、オランダの匂いのするメニューが見受けられて楽しい。また、スンダ料理を現代風にアレンジした店も出てくるなど、ボゴールのレストランに面白い傾向も見られる。バダゴール(バソ・タフ・ゴレン)やアシナン(甘酢漬)だけではない、ボゴールの味を楽しんで欲しい。

余談だが、昨日、ジャカルタからマカッサルへ帰る飛行機のなかで、マカロニ・パンガンの箱を持った客を見かけた。マカッサルへお土産として持っていくような食べ物でもあるのだ。
posted by daeng at 22:51| Comment(2) | TrackBack(0) | うまいもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月08日

トラジャの稲刈りと田植え

9月1〜3日、日本から来られている大学の先生に同行して、トラジャへ行ってきた。北部の山合いの村では、稲刈りがすでに終わって、穂刈りされた稲が田んぼに放置された状態になっていたが、そのすぐ下の村では、田植えが始まったところだった。

トラジャでは、まだ在来種の稲をアニアニと呼ばれる石器で丁寧に穂先を刈り取る。今回、ちょうどその様子に出会うことができた。




刈った稲は下の写真のようにして、天日で乾燥させる。トラジャの伝統的様式家屋であるトンコナンの北側に位置する穀倉に、これらの刈り取られた稲がたくさん置かれている風景は、トラジャの風物詩といってもよいのだが、今回は時期が悪かったせいか、お目にかからなかった。

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そこから15分ほど下った村では、田植えが始まっていた。苗代を作って、そこから苗を運んで田植えをする。

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トラジャの在来種の稲には、白米以外に黒米や赤米もあり、それぞれウルチ米とモチ米があるという。今はあまり食べることはなくなったというが、儀式などハレの日には黒米や赤米が振舞われるようである。
posted by daeng at 01:17| Comment(1) | TrackBack(0) | マカッサル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする