残念ながら、私には別の用事があり、最後にちょっと顔を出せただけだったが、周辺の文学好きの若者たちが最後まで熱心に議論していた。
この場で知り合いになった文化人の一人と、Coto Makassarの話で盛り上がった。彼によると、本来のCoto Makassarは牛肉ではなく水牛の肉を使っていた。今現在、昔ながらの水牛の肉を使ったCoto Makassarを出す店は市内に3軒しかない。
水牛の肉が使われなくなった背景には、肉自体が牛肉より硬いことや、トラジャなどの儀式で大量の水牛が生贄にされることなども関係しているかもしれない。
他の店は牛肉で、しかも安価なオーストラリア牛肉を使っている。オーストラリア牛肉は、他のマカッサルを代表する肉スープであるKonroやSop Saudaraでも使われている。
インドネシアの代表的な健康食であるテンペも、国産大豆より味がいいとされる米国産大豆に依存している。マカッサルの地元料理のCoto Makassarも、いつの間にか輸入牛肉に依存する状態になってしまったということか。日本の食が抱える問題と同様の問題が、ここマカッサルでも急速に進行している感を強くした。