そんななか、嬉しいニュースを散見した。西ジャワ州バンドゥンの教会前で、教会を訪れるキリスト教徒に、イスラーム有力団体のナフダトゥール・ウラマの青年たちが花を配ったとのこと。イスラーム教徒が異教徒の宗教行為に親近感を示すなどということは、普通は考え難いことなのだろう。突然の出来事に、キリスト教徒の中には感動で涙を流す人さえいたという。
マカッサルでも、テロ警戒と称して、1つの教会に5人の警官が警備に当たったとされる。しかし、それ以外に、イスラーム教団体の青年も一緒に教会の警備をしたところがいくつかあったそうだ。他の都市でも同様だったらしい。そういえば、暴動が起きる前のアンボンでは、教会やモスクの建設や行事にキリスト教徒とイスラーム教徒が協力するのが当たり前だった。
今のところは寛容のクリスマス。1990年代後半からの異教徒間の相互不信状態を知っているだけに、今年のような雰囲気がずっと続いていって欲しい、と切に思う。オーストラリアやアメリカのテロ警戒声明の当たることがないように、と心底祈りたい。