インドネシアの新カリキュラム(2004年)での中学生向けの「公民」(Kewarganegaraan)の教科書をみると、第1章に「地方自治実施における住民参加」(Partisipasi Masyarakat dalam Pelaksanaan Otonomi Daerah)、第5章に「地方自治実施の基本となる地域文化価値を醸成する」(Mengembangkan Nilai-Nilai Budaya Daerah yang mendasari pelaksanaan otonomi daerah)とあり、ランプン、ジャワ、バリ、ミナンカバウ、マカッサルが例として挙げられているそうです。さらに、第4章は、「意見表明の自立」(Kemerdekaan mengemukakan Pendapat)となっています。
地方自治の着実な実施は国家の規定路線となり、地方分権化が着実に浸透していることの表れと見えます。権威主義に基づき、画一的な国家政策を強いてきたかつてのインドネシアとは異なる、新しいインドネシアへ向けてのステップ、と考えたいところですが、旧来の教育の先頭に立ってきた教員の側がついていけるのか、心配です。新カリキュラムに合わせた教員の再研修が緊要と強く感じます。